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サイトの多言語化

多言語サイトを運営してみてわかったメリット・デメリット

WEBZINNEトピックス編集部のアイコンWEBZINNEトピックス編集部

公開日:2022年1月27日

多言語サイトを運営している当サイトのメンバーに、運営してみてわかったメリット・デメリットを聞いてみました。

当サイトは日本語オンリーのサイトですが、当プロジェクトのメンバーには多言語サイトを運営している人間がいるので、メリットとデメリット聞いてみました。

多言語サイトのメリット

需要ピークを補完しあえる

メンバーが運営している多言語サイトの一つは、季節要因が大きめのサイトで、シーズンオフになるとピーク時の60%くらいまでアクセスが落ちるそうです。しかし、多言語化をしたことで、日本ではオフシーズンでも、南半球ではオンシーズンになるので、そちらのアクセスで需要ピークを多少なりとも補完出来ているそう。

現状では、日本語サイトの方のアクセスが多い(日本語70%、海外30%)ので、完全には補完できていないですが、ユーザー数を考えたら、本来は逆転するくらいが正しいアクセス比のはずなので、今後は海外版を充実させてアクセスを拡大させたいと言っていました。

新たな需要を探せる

メンバーは日本人なので、どうしてもサイトは日本人向けのコンテンツが多くなってしまいますが、海外版(日本語版の英語版)を作ると、意外と思いつかなかったキーワード(英語)で検索需要があるということに気づくとのこと。英語の流入キーワードをチェックして、英語版コンテンツから日本語版コンテンツを作るという新しいフローが出来たことで、コンテンツに厚みが増したそうです。

サーバー負荷のピーク差が減る

ややシステム的な話になりますが、サイトをリモートサーバーで運用していると、どうしても深夜のアクセスが落ちるのに、ピーク時のスペックでサーバーをレンタルする必要があり、サーバー負荷にムラが出てきます。

多言語サイトの場合、英語版のメインユーザーはアメリカ、イギリスで、9時間以上時差のあるユーザーなので、日本でオフピーク時間に海外ユーザーが訪問するので、同じピークアクセス数でも、サーバーのスペックは低めで大丈夫だそうです。

多言語サイトのデメリット

収益化が難しい

多言語化で一番難しいと感じたのは、コンテンツ作りでもシステム面でもなく、収益化だそうです。アクセスは右肩上がりになっているのに、収益の伸びはアクセスほどの伸びがないと。

原因は、収益化の方法で、英語版はGoogle Adsenseのみなってしまっているため、伸びが悪いそうです。一方で、日本版は、Adsenseだけでなくアフィリエイトや純広告も収入源なので、収入面では95%が日本語版であげているとか。

海外版でアフィリエイトは使えないのか?と聞いたところ、英語版はアメリカ人だけが見るわけでなく、イギリス人、カナダ人、オーストラリア人などの居住地域の異なる英語圏のユーザー、もしくはフィリピン人やドイツ人といった非英語圏のユーザーも多く訪問するため、

  1. 1つの英語記事でもどのサイトに送客をするのか、国ごとに違う
  2. 国ごとの送客先サイトが、アフィリエイトをやっているとは限らない
  3. どうやって国外口座で報酬を受け取るか

というハードルがあるそうです。また、国ごとに送客先を管理するのもコストがかかるので、結局Adsense止まりだと。

この辺りは、Adsenseの有り難みを感じる部分だと言っていました。多言語化サイトで収益化するなら、Adsense一本か、独自の課金サービスを展開しないと厳しいとも言っていました。

言語ごとの言い回しの調整が難しい

日本語で使われている英語が「和製英語」が多いのはよく知られていますが、その単語が実際に現地のユーザーで使われている単語なのかという情報を得るのはかなり大変だそうです。

一般英語ならともかく、コンテンツの専門性を高めようとするほど、どうしても専門用語が増えてくるので、日本語での使い方と海外での使い方が違うポイントを探すのに時間がかかるそうです。

SEOを考えたら重要な点なので、ここは英語力の問題よりも日常的にそのジャンルの海外コンテンツに触れていることが大事と言っていました。

意外と旨味が少ない?多言語サイト

今回話を聞いてみて思ったのは、収益という面ではサイトの多言語化は大きな旨味がなさそうだということ。特に、アフィリエイトと純広告が使えないのがネックで、Adsense頼りになるのは事業としてもハイリスクです。

その意味では、メディアサイトを多言語で運営するのであれば、「海外ユーザーでも送客先は日本サイト」になる、日本コンテンツの外国人向けページ、というのが良いのかもしれませんね。

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