多言語化サイトで自動翻訳でなくてリライトをするメリット
更新日:2020年5月25日公開日:2019年12月10日
Webサイトを多言語化する際に自動翻訳を使うよりも、リライトをする方が良いとされます。今回は、多言語化サイトで記事を言語別にリライトするメリットを考えてみます。
コンテンツ面でのメリット
意味をしっかりと伝えるためにもリライトがベスト
サイトを多言語化すると言うことは、対象言語を使っているユーザーに対して情報を届けたいと思うからでしょう。現在の自動翻訳はかなり精度が上がっていますが、まだまだ完璧とは言えません。
特に、句点を含む文章の自動翻訳は、意味やニュアンスが異なる文章に変換されてしまうこともあるため、自動翻訳はあくまで補助として使う程度にして、しっかりとリライトする方が良いでしょう。
もっと言えば、対象言語を母国語にしていて日本語も話せる方に監修を頼めればベストです。
リンクも言語別に変えてユーザー体験を向上させる
また、コンテンツ内にリンクを張っている場合は、言語ごとにリンク先を変えるのがベストです。
例えば、英語圏ユーザーに日本語ページの自動翻訳ページを提供する場合、リンク先は当然日本語ページの時のリンクのままです(多くの場合、日本語サイトでしょう)。せっかく英語コンテンツを読んでくれたユーザーに対して、日本語ページへ誘導してしまうと、訪問ユーザーの満足度が落ちてしまいます。
SEO面のメリット
キーワードをローカライズしてSEO効果もアップ
同じキーワードでも、日本語と外国語では使われ方が違う場合があります。有名なところでは、「サラリーマン」や「OL」はジャパニーズイングリッシュで、英語には存在しない単語です。
逆に「折り紙(オリガミ)」「もったいない(モッタイナイ)」など、英語圏の方にも日本語のまま伝わるようなキーワードもあるので、言語ごとにコンテンツをリライトすることで、そうした重要な検索キーワードにリーチすることができます。
SEOでキーワードを狙うところは多言語化でも同じなので、言語ごとのページを、その言語や地域に合わせたキーワードに合わせてリライトすることで、SEO効果も高めることができます。
収益面でのメリット
言語ごとに送客先を変えて収益性をアップ
例えば、ブログやサイトでAmazonアソシエイトの広告を張っていた場合、自動翻訳の場合は、海外のユーザーが訪問しても日本のamazon.co.jpへのリンクのままなので、ほとんどのユーザーが購入しないでしょう。
しかし、言語ごとのリライトをすれば、英語圏ならamazon.com、フランス語圏ならamazon.frといった具合に、言語ごとに異なるリンクを貼ることができるため、訪問したユーザーを最適なページに送客できます。
また、アフィリエイトなどの広告が入っていない場合でも、商品の購入や申し込みをしてもらうLP(ランディングページ)は言語別に切り分ける必要があるので、言語ごとにリンクを変えたほうがCVRもアップするでしょう。
サイトの多言語化での懸念点
複数言語に翻訳されたコンテンツは重複コンテンツになるか?
厳密には同じ内容となる各言語に翻訳されたコンテンツが、Googleから「重複したコンテンツとは見なされる」かはSEOでは重要なポイントです。
この点について、Googleのジョン・ミュラー氏は下記のように答えています。
No, translated content wouldn't be seen as duplicate content. Even if the meaning is the same, it's different words, for a different audience. Localizing content can be a great way to reach a bigger audience.
(いいえ、翻訳されたコンテンツは重複コンテンツとは見なされません。たとえ同じ意味だったとしても別の言葉で別のユーザーに向けのものです。ローカライズはさらに大きなユーザーにリーチする偉大な方法となるでしょう。)
サイトの多言語化によって発生する複数言語に翻訳されたコンテンツも、別のコンテンツとして評価されるようですね。
多言語化サイトで自動翻訳でなくてリライトをするメリットを見てきました。
多言語化は手間も言語に対する知識も必要なため、時間もコストもかかる作業なので、正直自動翻訳で済ませてしまいたいのが本当のところです。
しかし、今回見てきたように、言語ごとのリライトは、時間とコストをかけるだけのリターンも見込めるため、めんどくさがらずにしっかりとコンテンツのリライトをした方が、最終的には良い結果となりそうです。